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徒然なるままにその日暮らし

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荒神

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荒神
宮部 みゆき[著]/文藝春秋

 現在の福島県の山あいに古くから神の住む山として大平良山と小平良山を挟むようにして永津野藩の竜崎家を主藩として香山藩の瓜生家を支藩とする藩があった。永津野藩は元々銀山を抱え潤い香山の瓜生家を支配していたが関ヶ原の頃には掘り尽くし、関ヶ原で幕府に取り入った瓜生家は支藩として認められ元々あった薬草の知識を生かし録を食むようになっていた。小平良山を開き薬草を栽培する本庄村・二谷村には何かと竜崎家の侍が乗り込んできて農民を攫い身代金を要求していた。
 ある晩、二谷村で国境を守る鉄砲撃ちの小屋が何者かに襲われ時を置かずして二谷村が滅ぼされた。香山藩で流行病で療養中の小日向直弥の元にもその噂が流れていた。幼なじみの藩士志野達之助らが調査に派遣されるが、流行病が藩主の側室の男子に罹ったことであらぬ言いがかりを付けられ窮地に落とされる小日向直弥は逃げるようにして二谷村に向かった。
 信州の寺院に双子ということで忌み嫌われ預けられた市の介と朱音の兄妹は市の介が寺を出奔し残された朱音は住職の庇護のもと寺院の下働きをしていたが住職が亡くなり、市の介が曽谷弾正と名を変え永津野藩藩主の筆頭側近に取り上げられ実権を握り永津野藩に迎えられた。曽谷弾正は永津野藩に半ば強引に蚕生産を推し進め香山藩への人狩りを進めていた。朱音はそのことを嫌い曽谷弾正に好意的な小平良山の麓の名賀村に住むことになるが、二谷村から逃げてきたと思われる蓑吉という少年を保護した。蓑吉は魚の腐ったような匂いの液体を浴び皮膚が爛れていた。少年の言葉で二谷村に怪物が出たことを知り名賀村にある香山藩に攻撃を仕掛けるための砦に情報を知らせようとするが怪物に襲われ山に逃げ込む。
 二谷村で現状を知った小日向直弥は助けを求め藩主の元へ向かったが側室の男子が亡くなったことで藩主の近辺はそれどころではなかった。諦めて二谷村に向かい大平良山の麓にある荒れ寺が、この事態の真相を知ると聞き寺に向かった。
 名賀村では砦が襲われ壊滅し、曽谷弾正の元を逃げてきた妻子がやってきたが怪物に襲われ一時は退治したに見えたが怪物は変身し村に大きな損害を与えたが蓑吉と老馬によって怪物は山に追い返された。曽谷弾正はすべての元凶を知っていた。永津野藩に無慈悲に支配された瓜生家の分家筋が大平良山の力を借りて永津野藩を滅ぼすための兵器として怪物を作ろうと画策したこと、市の介と朱音はその一族の偶に生まれる力を持った末裔だということ。曽谷弾正はその境遇に生まれたことに恨みを抱き瓜生家を滅ぼそうとしていた。
 瓜生家には薬草の力を借りて幕府に取り入ろうと幕府の間者も密かに受け入れていた。

by a2k_turedure | 2016-03-27 21:15 | 徒然なるままに乱読記’16 | Trackback | Comments(0)
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