DOGMAN ドッグマン
リュック・ベッソン 監督・脚本作品/脚本 ジェイソン・フュークス
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ/ジョージョー・T・ギッブス/クリストファー・デナム/クレーメンス・シック
’23/仏/1h54分
山形フォーラム
令和6年3月9日
アメリカ、ニュージャージー州。ある夜、警察に止められた1台のトラック。運転席には負傷した女装の男。荷台には10数匹の犬。“ドッグマン”と呼ばれるその男は半生を語り始める。
真夜中、警察に協力を求められ、幼い子供を同居する母親に託し警察署に向かう女性。警察の取り調べ室にいたのは女装し負傷し足に装具を付ける車椅子の男性。背中には応急的に患部をガーゼで覆っている。女装した男は医師は必要ないと答えたが、医師が精神科医だと聞き警察がどちらに収容しようとしているのか困っているのかと納得した。女装した男は医師の求めに応じて話し始める。男の名はダグラス(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)。ダグラスの父親は闘犬の興業を生業とし多数の犬を飼育していた。父親は暴力的で何かと言うと暴力を振るった。犬を飼育はしているが犬に愛情を注ぐことはなく犬に餌をやると闘犬の興業に向かないと餌を与えることを良しとはしなかった。ダグラスの母親はヨーロッパの音楽を聴きながら料理をしていて、ダグラスはそれを見ているのが好きだった。ダグラスの兄は父親によく告げ口をする。ダグラスが犬に愛情を注ぎ可愛がっていることを告げ口すると父親は激怒しダグラスを犬のケージに一緒に放り込んでしまったが、犬はダグラスを思い寄り添った。そして父親の暴力に耐えきれなくなった母親は逃げダグラスの元を去っていった。ケージの中でのダグラスの楽しみは母親がケージの隣の納屋に隠していたヨーロッパの雑誌や女性ファッション誌だった。ケージに犬と一緒に飼育されても犬の愛情を得て仲良くくるまって眠るダグラスの姿に兄はまた父親に告げ口し父親は猟銃を持ち出し犬に構える。父親の銃を阻止しようと懸命に抗議するダグラスに父親は猟銃を撃ちダグラスは手の指を何本か失った。父親も兄も宗教に心酔しダグラスが父親に迎え入れられないのは信心が足りていないとしていた。この騒ぎでケージの一部が破れ、ダグラスから撃たれた指を託された犬が警察を探し飛び出していった。やがて警察が事件に気がつきダグラスを保護し父親と兄は逮捕され父親は獄中で自殺し兄は服役し出所したところを犬が迎えにいった。ダグラスは施設に保護されたが不幸にも猟銃の跳弾が脊髄に当たり足が動かなくなっていた。ダグラスの話を聞く精神科医も夫と父親の暴力に苦しんでいた。
ダグラスの元に一人の青年が訪ねてくる。最近 街に進出したギャングがみかじめ料を要求し知り合いの店が年々厳しくなっていると告げる。ダグラスは犬を指示してギャングのリーダーを脅す。
ダグラスは唯一 女性に関心を寄せた事がある。施設に保護されている時に施設を手伝うシェークスピア演劇好きの女性だった。一人本を読むダグラスに関心を寄せシェークスピアの魅力を語り施設の中でダグラスと共にシェークスピア劇を披露し、この時がダグラスにとって一番いい思い出だった。そして女性は夢が叶い演劇の楽団に入る事が出来て施設を去っていった。それからもダグラスはこの女性に関心を持ち新聞に記事が載ると切り抜きスクラップブックに保管しいていった。女性は成功し舞台のヒロインとしての初公演に成長したダグラスも駆けつけ楽屋に周り花束を渡したが、彼女はすでに結婚しまもなく子供が生まれると言う話にダグラスはひどく落ち込んだ。ダグラスはその頃 施設を退所し保護犬の仲介所を運営していたが市の補助金が市の財政問題を理由に打ち切られることとなり、ダグラスは保護犬の施設の明け渡しを求められ、見捨てられ廃墟となった建物に犬と一緒に住み着いた。犬を養うため職を探したが下半身が不自由な事で職は見つからなかった。バーテンを募集したゲイのショーパブの張り紙を見たダグラスは店の中に入るが、その時ショーのリハーサルをしていて、店主の募集は剥がし忘れたの言葉にダグラスはアーティストとしてやってきたと言った。ダグラスは不自由な脚に耐えてショーの舞台に立ち成功させる。しかしダグラスが舞台に立つのは週一で犬を養うには足りなかった。そのことを指摘する精神科医にダグラスは犬が稼いでいたと言う。犬たちが連携し金持ちの屋敷に忍び込み金品を盗んでいた。宝石の盗難に気がついた金持ちが保険会社の調査員に指示し調査しダグラスたちの犬の反抗の証拠を見つける。そして警察に捕まった晩に何があったのか。ダグラスがギャングがダグラスを突き止め報復に襲ってきた。