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徒然なるままにその日暮らし

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哀れなるものたち

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哀れなるものたち
ヨルゴス・ランティモス 監督作品/原作 アラスター・グレイ
エマ・ストーン/マーク・ラファロ/ウィレム・デフォー/ラミー・ユセフ/クリストファー・アボット/ジェロッド・カーマィケル
’23/英/2h22分
山形フォーラム
令和6年1月27日

 うねり流れる川に身を投げる女性。
 ロンドンの医学校で解剖の実習をおこなう天才外科医ゴドウィン・バクスターは、自身の体も好奇心のために解剖を行うなど奇人と揶揄されている。ゴドウィン・バクスターは解剖実習に参加していた平民出の若き医師マックスを助手として招き寄せる。ゴドウィン・バクスターの屋敷には犬の胴体に鴨の頭の動物が歩き回り奇妙な行動をとり言葉もままならない若き女性ベラが居た。ゴドウィン・バクスターはベラを常に見て全てを記録するようにと。ベラは少しづつ言葉を覚え話ができるようになり、ベラの頭部には手術の跡があった。やがてベラは性的快楽を覚え求めるようになる。ゴドウィン・バクスターはマックスにベラと結婚を提案し二人は婚約者となる。ゴドウィン・バクスターはベラを屋敷の外には出さずベラは好奇心が目覚め世界に興味を持ち始めていた。放浪者の弁護士ダンカンが屋敷にやってくると誘われるままに駆け落ちしていってしまう。性の快感を知ったベラはダンカンとセックスに明け暮れる。ダンカンはベラを豪華客船による船旅に連れ出しヨーロッパへの旅に出る。ダンカンとベラはハリーと名乗る黒人紳士と知り合いベラは渡されるままに本を読み漁り、寄港地で貧困で衰弱死する子供達を目の当たりにしダンカンのお金を全て貧困で衰弱死する子供達のためにと差し出してしまう。無一文になったダンカンはベラと共に豪華客船を下される。パリに辿り着いたベラは宿を求め娼婦館に辿り着く。娼婦館の女主人からここで客の相手をすれば金を得られると言われるままに客を紹介され金を得る。今食べる金を得てダンカンに食べ物を分けるがダンカンは娼婦として得た食べ物は食べないと投げつけてしまう。実はベラは無一文ではなく服の中にゴドウィン・バクスターが縫い付けてくれていた現金を持っていた。ダンカンにはロンドンに帰るようにとお金を渡し、自分は娼婦館で客を取り働き始めた。その間もベラは知識を広げ成長してゆく。
 ロンドンではゴドウィン・バクスターのお腹に腫瘍が発生し助手のマックスの手を借り腫瘍を解剖していた。便りが無くなりベラを心配するゴドウィンとマックスの元にダンカンからパリのベラの居場所を知りゴドウィン・バクスターが危篤と知らせを入れた。一人の女性としての自覚を持って行動するようになっていたベラは娼婦館から快く送り出されゴドウィン・バクスターの元に戻る。ベラはゴドウィン・バクスターに自分の体に帝王切開の跡があることに胎児はどうしたのかと問い詰める。ゴドウィン・バクスターは胎児の脳はベラの頭の中に入ってると。ベラは母親でもあり娘でもあると言う。ゴドウィン・バクスターの屋敷で正式にマックスと結婚しようとするところにダンカンの手引きでアルフィーと名乗る男が現れた。ベラは元々違う名でアルフィーの妻であった。アルフィーは屋敷の使用人に常に拳銃を向け命令し使用人との関係が最悪だった。自我を持ってアルフィーと対峙するベラにアルフィーは拳銃と麻酔の入った酒を飲ませ従わせようとするがベラの反撃にあって気を失いそのままゴドウィン・バクスターの屋敷に連れられてしまった。
 子どもの目線で世界を見つめる彼女は平等と自由を知り、時代の偏見から解き放たれ驚くべき成長を遂げていくベラ。『女王陛下のお気に入り』の鬼才ヨルゴス・ランティモス監督&『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンほか豪華キャストが未体験の驚きで世界を満たす最新作。不幸な死から蘇った女性の未知の驚きに満ちた旅路を描いた、スコットランド作家のアラスター・グレイの同名ゴシック小説の実写映画化。

# by a2k_turedure | 2024-01-27 21:14 | 徒然なるままにキネマ’24 | Trackback | Comments(0)

むかしむかしあるところに、死体がありました。

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むかしむかしあるところに、死体がありました。
青柳 碧人[著]/双葉社

 「浦島太郎」や「鶴の恩返し」といった皆さんご存じの《日本昔ばなし》を、密室やアリバイ、ダイイングメッセージといったミステリのテーマで読み解く全く新しいミステリ!「一寸法師の不在証明」「花咲か死者伝言」「つるの倒叙がえし」「密室龍宮城」「絶海の鬼ヶ島」の全5編収録。
「一寸法師の不在証明」
 京の三条右大臣の屋敷に五日前から仕え始めた一寸法師。姫の存生祭りの参詣から帰る道筋、恐れていた鬼が現れ護衛の侍たちの刀も刃が立たずにいると、威勢の良い一寸法師が飛び出し鬼に立ち向かうと鬼はあっさりと一寸法師を飲み込んでしまったが、鬼が七転八倒して苦しみ出した。一寸法師が鬼の体の中から針の刀を振い鬼を降参させて鬼の持つ宝を貰い受けることを約束させる。ただ鬼の体から一寸法師が出てくるには体の中のあちこちに引っかかってなかなか出ることができなかった。一寸法師は鬼からせしめた打出の小槌を使い体を大きくし三条右大臣に取り入り姫の婿として屋敷に入ることができた。三条右大臣の屋敷に仕える侍は近隣の村で男が殺されたと聞き調査を始めると、事件には一寸法師が関わっている可能性が疑われたが、事件の時間には一寸法師は鬼の体の中にいた。殺された男は三条右大臣が村娘に産ませた子供との噂があって、この村の仕来りでは存生祭りの間は死体などの話を避ける風習があった。
「花咲か死者伝言」
 他の犬と違って鼻の効かない野良犬が村に通りかかって獣の言葉が判ると言うボロ切れを着た男と会った。山を下り村に入ると人だかりがしていてお爺さんが枯れ木に飛び乗り灰を撒き枯れ木に花を咲かせていた。野良犬はお爺さんが飼っていた犬によく似ていて、帰って来たと言って受けれいれられた。お爺さんは色々と奇跡を起こしその度に褒賞を貰っていたが全てを村のことに使っていた。そのお爺さんが殺されていた。疑われていたのはお爺さんの近くに住む爺さんで。その近くに住む爺さんはお爺さんが奇跡を起こすたびに何かと難癖をつけ奇跡を起こした物を踏んだくって行くがその度に失敗していた。そしてまた殺人があった。トリカブトを使った毒殺だった。野良犬は誰が殺人者か気がついてしまった。野良犬も殺され埋められてしまったが、野良犬は長い復讐の計画を練っていた。
「つるの倒叙がえし」
 弥兵衛の家に庄屋が借金の取り立てに来ていた。母親が急に亡くなって借金を返す目処が立たなかった。その村では機織りが盛んで母親も機を織り十分に借金を返す目処があったが、男の弥兵衛には機織りを教えてもらえず金を返す目処が全くなかった。そこへ女性がやってきた。旅の途中だが休ませてほしいと。何も無い家だが休ませるとお礼に奥の機織りで機を織ると言うが、機織りをしているところは見ないでくれと。女性は見たこともない反物を織り、弥兵衛は町に売りに行き、たいそう高額で売れたと喜んでいたが、たまたま売った商家に商家仲間が訪ねており同じものが欲しいと聞かなくまた織って欲しいと頼み込んだ。庄屋が行方不明になっていると言う事件が発生し弥兵衛も捜索に駆り出されていた。弥兵衛は街に反物を売りに行くたび酒を買ってくるようになり酒癖が悪くなっていた。
「密室龍宮城」
 浜を歩いていた浦島太郎はいじめられていた亀を助け竜宮城に招待された。竜宮城の中では魚たちが人の体に変わり音姫様を守り暮らしていた。竜宮城は止時貝によって守られた空間で竜宮城で音姫様を取り巻く魚たちは人の体をしていた。音姫様は浦島太郎に感謝の宴を開き楽しんで貰ったが。竜宮城の中で密室殺人事件が発生した。浦島太郎は殺人者を探ることを求められて捜査を始めた。聞き込みを始めると疑わしい者は多くいたが。密室の謎に阻まれ犯人を特定できずにいたが、唯一可能性がある者を犯人だと推理し乙姫様に急かされるままに竜宮城を後にしたが、再び亀の背に乗って帰る道すがらに亀と話した真相は違っていた。そして浜に戻った浦島太郎は浜の様子が全く違っていることに気がついた。
「絶海の鬼ヶ島」
 鬼の住む島があった。鬼らはその島で温和に暮らしていたが。ある時 島を嵐が襲い鬼たちは長老の指示に従い島の洞窟に逃げ込んだ。嵐が過ぎ何もかも流され一部の若い鬼が海に乗り出し食べ物と金銀財宝を携えて戻ってきた。若い鬼の話では、海の向こうには親切な人間たちが住んでいて食べ物と金銀財宝を分け与えてくれたと言う。そしてこれからは継続的に貰ってこれるから働かなくて良いと。鬼たちは喜んだが、ある日、桃太郎という名の童子が犬と猿と雉を連れて成敗にやってきた。ほとんどの鬼が殺害され僅かばかりの鬼が島の洞窟に隠れ助かった。今では鬼ヶ島でその子孫たちが細々と暮らしていた。ある日 晩飯の団子を巡って争いごとが起き争いごとを起こした二頭の若い鬼がそれぞれの洞窟に分かれ拘束された。そしてその晩 片方の鬼が殺害される事件が発生した。そして犯人探しの憶測が進む中次々に鬼が殺害されていった。そして最後の一頭になり全ての鬼が殺された。

# by a2k_turedure | 2024-01-21 13:43 | 徒然なるままに乱読記’24 | Trackback | Comments(0)

ほかげ

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ほかげ
塚本 晋也 監督・脚本・撮影・編集・製作作品
趣里<女>/森山 未來<テキ屋の男>/塚尾 桜雅<戦争孤児>/河野 宏紀<復員兵>/利重 剛<中年斡旋者酒卸し>/大森 立嗣<元日本軍将校>
’23/日/1h35分
山形フォーラム
令和6年1月20日

 女は、半焼けになった小さな居酒屋で1人暮らしている。体を売ることを斡旋され、戦争の絶望から抗うこともできずにその日をただぼんやりと横になって過ごしていた。ある日闇市のうどん露店の男に追いかけられ戦争孤児の子供が逃げ込んでいた。うどん露店の男は女を見とめるとそのまま出ていった。斡旋者の中年男が一生酒を持って居酒屋に尋ねてくる。変な男は来ていないなと訊く。変な男には声を掛けていないと斡旋者は言う。復員兵の男が斡旋者からの紹介だと尋ねてきた。復員兵は前金を払うと酒を飲み、結局 女には何もせずに、金を作って今晩も来ると言って出ていった。その晩、戦争孤児の子供が瓜を持って復員兵と一緒に居酒屋に入ってきた。復員兵はお金を稼ぐことはできなかったと言った。戦争孤児の子供が差し出す瓜を女は盗んだ物は受け取れないと突っぱねるが、復員兵が煮て汁物にして食べた。その晩は戦争孤児を挟んで川の字になって寝たが戦争孤児は悪夢に魘され震え、復員兵は闇の中に時折響く銃声に震え怯えた。次の朝 復員兵は今日こそは金を稼いで来ると言って出かけ、女は戦争孤児に盗みはダメだと何度も言って出て行かせた。戦争孤児は稼いできたと言って野菜を渡し、復員兵は結局通りで突っ立ってだけで何もしていなかったと告げた。女は三人の生活に表情が少し穏やかになった。けれどもお金を稼いでくることのできなかった復員兵が暴れ女に暴力を振い、戦争孤児がひた隠しに持っていた拳銃で復員兵を脅し追い出した。女は持っていてはいけない物だと言って拳銃を取り上げ缶の中に隠した。女は戦争孤児のために服を縫ってこれで仕事ができると言って送り出すがその晩、頭から血を流して帰ってきた。戦争孤児がしていた仕事は闇物資を摘発逃れのために鉄道から落とした闇物資を拾い店まで持ち込むことだった。しかし大人に襲われ稼ぎを持ち去られてしまった。女はそんな危ないことはしてはいけないと叱るが親切な男の人が拳銃を持っているなら一緒に金をやるから一緒に遠出をしようと言っていると言って女の制止を聞かず出ていった。女の元に斡旋屋が一生酒を持って尋ねてくるが女は体の具合が悪いと言って斡旋を断った。
 戦争孤児の子供はテキ屋の男と列車に乗り旅をしていた。テキ屋の男は片腕が動かせず片腕で川魚を掴み取り焼いて食べた。食べ物の有る農村に着いた。ある家から唸り声がし覗いてみると戦争で気が触れた男が閉じ込められていた。テキ屋の男はある農家を覗き戦争孤児に農家の主人を呼び出してくるように伝え戦争孤児の持つ拳銃を借りた。農家の主人は戦地でテキ屋の男の上官だった。テキ屋の男は戦場での上官の指示に怒りを覚えていた。
 人間の中に潜む暴力、分かち難く絡む死と生を描いてきた塚本晋也監督が、今を生きる全ての者に問いかける祈りの物語。

# by a2k_turedure | 2024-01-20 20:46 | 徒然なるままにキネマ’24 | Trackback | Comments(0)

春の画 SHUNGA

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春の画 SHUNGA
平田 潤子 監督作品/企画・プロデュース:小室直子/プロデューサー:橋本佳子
【朗読】森山未來/吉田羊 【出演】横尾忠則/会田誠/木村了子/石上阿希/早川聞多/浦上満
’23/日/2h1分
山形フォーラム
令和6年1月8日

 葛飾北斎、喜多川歌麿ら名だたる浮世絵師たちが情熱を注いだことで知られる春画。絵師・彫師・摺師によって数多くの名作が生み出されたが、明治時代になると「猥褻画」として日本文化から姿を消したが、近年になってアートとしての再評価の機運が高まっている。平田潤子監督が北海道から九州、海外にまで足を運んで美術コレクターや浮世絵研究家、美術史家、彫師、画家に取材。バラエティ豊かな傑作の数々を美しい映像で映し出し、エロティシズムだけにとどまらない多彩な表現内容や技巧と創造性に富んだ春画の魅力に迫る。さらに春画をアニメ化し、江戸時代の人々が親しんだその世界をいきいきと描く。江戸時代に隆盛を極め明治時代に禁じられた「春画」、その美の世界に迫るドキュメンタリー。
 葛飾北斎、喜多川歌麿をはじめとする江戸の名だたる浮世絵師たちが、並々ならぬ情熱を注いだ春画。彫り・摺りの高度な技術も投入され、「美」「技」において超一級の芸術と呼べる作品が数多く生み出されたが、時代が江戸から明治に変わると“わいせつ物”として警察による取り締まりの対象となり、日本文化から姿を消してしまった。性別を問わず楽しめるアートとして再評価の機運が高まったのは、つい最近のこと。2013年、ロンドン・大英博物館での世界初の大規模な春画展に大勢の人が詰めかけ、その半数以上が女性で、2015年~16年の、東京と京都での日本初の「春画展」も動員29万人を記録し、その約半数が女性だった。
 いまだ知られざる部分も多い春画の深遠なる魅力にあらゆる角度から迫り、その奥深くへと観客をいざなう本作。美しい映像で映し出されるのは、北斎の有名な“蛸と海女”の絵、歌麿の「歌満くら」、鳥居清長の「袖の巻」、鈴木春信のユーモラスな「風流艶色真似ゑもん」、大名家への嫁入り道具と伝えられる華麗な肉筆巻物、ヨーロッパのコレクター秘蔵の「春画幽霊図」などなどバラエティーに富んだ傑作の数々。さらには贅を尽くした源氏物語のパロディー「正写相生源氏」(歌川国貞)の絢爛豪華な“極初摺り”も登場! 金・銀などを惜しみなく使い、超絶技巧を駆使した立体的な表現は、現代では再現不可能とまで言われている。
 春画に描かれている性愛のかたちは驚くほど多彩で、必ずしも性愛だけを描くわけでもない。そこには歓喜と興奮、情熱と悲哀、嫉妬、駆け引きなど人間味あふれるドラマや、春画が「笑い絵」と称されるようにユーモアをもって描かれる「生命」そのものの魅力に引き込まれずにはいられない。また、復刻やデジタル化などのプロジェクトを紹介。没入感を味わえる春画のアニメ化も必見だ。

# by a2k_turedure | 2024-01-08 21:43 | 徒然なるままにキネマ’24 | Trackback | Comments(0)

アメリ デジタルリマスター

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アメリ デジタルリマスター
ジャン=ピエール・ジュネ監督作品/脚本 ジャン=ピエール・ジュネ、ギョーム・ロ-ラン
オドレイ・トトゥ/マチュー・カソヴィッツ/ヨランド・モロー/ジャメル・ドゥブーズ/イザベル・ナンティ/ドミニク・ピノン
’01/仏/2h1分
山形フォーラム
令和6年1月8日


 観る人みんなを幸せにする不朽の名作が22年の時を経て、デジタルリマスターでスクリーンに蘇る!幼い頃からひとりぼっちで空想の世界で過ごしてきたアメリは、モンマルトルのアパルトマンで一人暮らしをしながらカフェで働いている。バスルームで発見した宝物を持ち主に返す冒険をきっかけに、誰かを少しだけ幸せにするお節介をコッソリと始めた。そんなある日、アメリは捨てられた証明写真を収集する不思議な青年ニノと出会い、初めての感情に戸惑い始める…。フランス本国、日本、そして全世界でロングランを記録し、2002年アカデミー賞外国語映画賞、美術賞など5部門にノミネートされるなど賞レースを席巻。あの時の喜びと今だから見えてくる小さな幸せをお見逃しなく!

 孤独で夢見がちな少女アメリはパリのカフェで働いている。アメリは元軍医で診療所の医師である父と教師の母親のもとに生まれた。いつも父親に抱きしめられることを望んでいたアメリに父親は毎年検診をしていたが、父に触れられることに興奮するアメリの心臓はいつも激しく脈打っていた。それを父親は生まれつき心臓に欠陥があると診察しアメリを学校に通わせず、勉強は教師である母親が教えていた。誰にも関わらずに育ったアメリの楽しみは空想だった。
 幼い頃からひとりぼっちで空想の世界で過ごしてきたアメリは、モンマルトルのアパルトマンで一人暮らしをしながらカフェで働いている。ある日、駅の証明写真機の不要になった写真を集めている青年に会い一目惚れをした。窓から見えるガラスの骨の男性はいつも絵画の模写をしている。ふとしたことでバスルームの壁の間から見つけたブリキの箱に入った幼い子供の宝物を見つけ持ち主に返す冒険を始めた。入っていた物から40年前に住んでいた少年の持ち物と推測し管理人の女性を訪ねるが女性は娘の頃の話をするばかり。40年前のことは一階の八百屋に聞くと良いと言われるが二代目の店主は要領の良く無い店番を怒ってばかりでやっと聞けたのは離れて暮らす母親に聞けと。母親と合い住んでいた少年の名前を知ると、同じ名前の人を探し歩き本人を見つけ、公衆電話に呼び出し人知れず返すことに成功する。この出来事をきっかけに、誰かを少しだけ幸せにするお節介をコッソリと始めた。
 八百屋の店主のドアの鍵が差しっぱなしになっているのを見つけ店主に渡そうとするが店主はいつものように店番を叱ってばかり。アメリは合鍵屋に飛び込み合鍵を作る。知り合いである窓から見えるガラスの骨の男性を訪ね絵の内容を訊く。八百屋の兄弟のカギを使って、目覚まし時計の時間を狂わせたり、歯磨き粉と靴クリームを入れ替えたり。アパートの管理人さんの恋人の手紙を偽造したり、いつもカフェで録音機を片手に録音をしている常連客とタバココーナーの売り子をくっつけたり、父親の人形を世界各地の観光地に持って行って人形が勝手に海外旅行に行った様な絵葉書を送る。ガラスの骨の男性に特に編集したビデオを送り。ガラスの骨の男性もまたアメリのことを気にかけていた。うまく行くと思われたタバココーナーの売り子と録音機を片手に録音をしている常連客との間は常連客の粘着質な行動で破綻する。
 アメリは青年の写真スクラップ帳を手に入れる。スクラップ帳には一人の男性が色々な場所の証明写真機を使っていて、その男性に青年も興味を持っていることに気が付く。証明写真機に貼ってあった落とし物を探す張り紙から青年の連絡先を知りまわりくどいメッセージを残して行く。ある時、色々なところで証明写真を撮っている男性の理由を見つけると青年がその答えが分かるように誘導する。そしてアメリは自身が勤めているカフェに青年を来させ同僚の手を借りてメッセージを残す。

# by a2k_turedure | 2024-01-08 15:36 | 徒然なるままにキネマ’24 | Trackback | Comments(0)
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このブログは自分の気になったこと等を、徒然なるままにアップしていきますので、お暇な方は付き合ってやってください。


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